すいかの履歴書

一生懸命、生きている人の日記。

新卒1年目

新卒で入社した会社は食品メーカーではあるが、自社商品を販売する店舗を全国に展開しているため小売業の要素もあった。お店の99%はフランチャイズ店舗のため、ビジネスモデルとしてはコンビニチェーン本部に近い。CVSと異なるのは、自社で製造した商品を直接店舗に納品して販売することができるため利益が出やすい構造になっているという点だ。

新入社員は直営店に配属されるため、まずはじめは店舗業務が行えるよう研修を3週間ほど行った。自分は接客業をしたことがなかったので、レジ操作や接客言葉になかなか慣れずに苦戦した。加えて、商品作成はある程度技術を要するので居残りで練習してようやく新入りアルバイトに追いつけるくらいにはなった。

そして研修の総仕上げとして、ゴールデンウィークにセール期間中の店舗で現場に立った。お客様が店の外にまで並び、いつまでも列は途切れない。必死に目の前のお客様の注文を取り、間違いのないように商品を作った。それでも間違えることはあったが、謝罪して作り直した。

 

入社3か月は研修期間で、その間に座学や店舗実習を通して「店長」になるまでの準備をしていく。7月には店舗に配属され1店舗を任される。その楽しみもあったが不安のほうが大きかったように思う。

そうして迎えた7月。なんと自分は2店舗の店長になった。近接する店舗とはいえ、2つの店を任されるとは思っていなかったので驚いた。前任の先輩から引き継ぎを受けて、徐々に自分が店舗を管理するようになった。接客レベルもまだまだ、というのに店長になることはなかなか厳しかったが、いい経験をさせてもらっていた。

しかし、経験が豊富で接客も上手なアルバイトの従業員に対して、指示は出しづらかった。つい最近入社したばっかりの人間が「店長」として振る舞うというのは自分にとっても違和感があった。まずは自分がアルバイトの従業員に色々学ばせてもらうという姿勢でいるように心がけた。従業員にはどう映っていたかはわからないが…。

そういった後ろめたさを感じていたこともあって、「店長」として本来取るべきリーダーシップは取れないでいた。研修で学んできたことはいわば「理想のオペレーション」。実際の店舗では、すべきことを省略していることもあるし、そもそも従業員が正しいオペレーションを知らないということも多々あった。それらを放置せず、「理想の店舗」づくりをしなければいけない。どこまでやったらいいのか分からず、かなり戸惑った。結果、店長として出すべき指示を出せないこともあった。

そういった葛藤がありながらも、なんとか日々の業務をこなして、秋には先輩が離れて自分1人で管理することになった。そしてそのタイミングで、他部門の先輩社員が店舗に配属されることになり、自分の担当は1店舗のみになった。自分で2店舗やるつもりでいたので拍子抜けしたが、自分が教える立場になることで理解が深まることもあり、これもまた貴重な経験になった。

このころ、仕事が楽しいと思えることが増えていたように思う。アイデアも出るようになったし、アクションもどんどん起こした。おそらく、4月〜9月ころはうつ状態で、10月ころからは躁になっていたような気がする。そして、冬にかけて躁は加速していった。自分は仕事に必死で、何にも気づけていなかった。