すいかの履歴書

一生懸命、生きている人の日記。

学生結婚

その人とは5月中に何度も会い、まだ20歳で何も知らない私をいろんな所に連れて行ってくれた。とはいえ彼女は1歳年上なだけだったが。

それまで国産メーカーの缶ビールしか飲んだことがなかったのだが、ベルギービールのビアバーでフルーティな香りのビールを楽しんだり、色んなラム酒を置いてあるバーに行ったり。1人ではとても行けないようないい雰囲気のレストランにも行った。東京に住んでいたものの、東京の遊び方は何も知らない私に色んな体験をさせてくれた。


5月の私の誕生日、彼女の家に行った。人生で初めて、家族以外の人に誕生日パーティをしてもらった。手作りの料理でもてなしてくれて、彼女と出会ってからその日までの写真をアルバムにしてくれていた。アルバムの最後には手書きのメッセージが添えられていて、照れくさい気持ちになったが嬉しかった。その日から交際することになった。


そしてトントン拍子で話は進み、なんと同棲をすることになった。彼女の1Kマンションに2人で暮らすには狭かったこともあり、そこそこ広い部屋を借りることにした。

場所をどうしようか、という話になって何故か「自由が丘」か「三軒茶屋」のどちらかにしようと決まった。なんでこんな高級住宅街にしようと思ったのかはあんまり覚えていない。

案の定、物件相場は高くて手ごろな物件を探すのには苦労したが、最終的には自由が丘のほうで家を決めて物件を申し込んだ。なんと、交際を始めてから1か月で同棲生活が始まった。

そして、2012年のクリスマスには自分が書けるところを全て埋めた婚姻届を彼女に手渡した。

そして、2013年1月に入籍。「スピード婚」だった。

 

21歳で、しかも学生で結婚するということには自分自身迷いもあったし、周囲の人に反対されたり、幸せになってほしいと言われたりもした。色んな意見を聞いた。自分たちとの関係性にもよるが、人によって言うことが全然違うのが興味深かった。


ー自分は、掴みかけていたこの幸せを手放すのが嫌だった。交際を長い間続けていたって、行き着く先は結婚か別れかの2択だ。私にとっては、その選択のタイミングが前倒しになっただけのことだった。